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赤く色づいた木々の向こうに、くじゅうの山なみがそびえる

くじゅう連山 九州本土最高峰の中岳とミヤマキリシマ・紅葉・牧ノ戸峠

九州本土の最高峰・中岳と主峰の久住山を中心に、九重町と竹田市にまたがるくじゅう連山を紹介します。ひらがなで書く名のわけ、初夏のミヤマキリシマと秋の紅葉、登山口の牧ノ戸峠から見える景色もまとめました。

くじゅう連山は、大分県の九重町と竹田市久住町にまたがる、火山の連なりです。1,700m級の峰が並ぶ山なみは、「九州の屋根」とも呼ばれます。九重町の長者原(ちょうじゃばる)には、県道11号(やまなみハイウェイ)の直線道路が通ります。そこからは、三俣山と星生山にはさまれた硫黄山の噴気が見えます。初夏にはミヤマキリシマ、秋には紅葉が、峰々の斜面を色づけます。

最高峰の中岳と主峰の久住山

連山でいちばん高いのは標高1,791mの中岳で、九州本土の最高峰にあたります。九州本土は、離れた島々を除いた九州のことです。中岳をはじめとする峰々は、トロイデ(鐘状)型と呼ばれる火山の地形をつくっています。鐘状は、鐘をふせたような形のことです。

連山は、坊ガツルの広い草原を境に、東西の二つに分かれます。東の大船山系は、大船山を中心とする山々です。その東の端にある黒岳は、もっとも新しい溶岩ドーム(溶岩が盛り上がってできた山)とされます。西の久住山系には、中岳や久住山などの峰が連なります。連山は、火山防災のために、監視と観測を強める必要がある火山として、火山噴火予知連絡会に選ばれています。

この一帯には、くぼ地が多く見られます。豊かな湧き水や雨水によって、いくつもの湿原が育ってきました。山々の北と南のふもとには、火山灰などが積もってできた高原が広がり、草原が続きます。北が九重町の飯田高原、南が久住高原です。

中岳の山頂から見る御池と久住山

坊ガツル湿原と平治岳・大船山を見渡せるのは、岩の尾根が続く中岳の山頂です。御池という池の向こうには、久住山や星生山などの峰が並びます。御池は、火口の跡の空池よりも高いところにある池です。低い空池には水がまったくないのに、高い御池の水は涸れずに残ります。夏の御池は、エメラルドグリーンに見えます。

「久住山」は連なり全体の呼び名ではなく、そのうちの一つの峰の名です。中岳の山頂から御池の向こうに見える久住山は、連山の主峰とされます。

緑の山々が連なり、谷あいの奥から白い噴気が上がる
緑の季節のくじゅうの山なみ

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ひらがなの名と阿蘇くじゅう国立公園

「九重山」は山々をまとめて呼ぶ名の一つで、「くじゅうさん」と読みます。気象庁は、山々の総称を「九重山」としています。連山の北側にある九重町は、「ここのえまち」と読みます。南側にある竹田市の久住町は、「くじゅうまち」と読みます。山の名の「九重」と「久住」の二つの字は、ふもとに古く開かれた、二つの寺の山号に由来するとされます。山号は、寺に付ける「〇〇山」の名のことです。

阿蘇国立公園は、この地域を加えたときに、名を阿蘇くじゅう国立公園に改めました。公園の名の「くじゅう」がひらがななのは、旧久住町(いまの竹田市久住町)と九重町の合意によります。二つの町は、山々の総称をひらがなの「くじゅう連山」とすることに決めました。それまでは、山々をまとめて何と呼ぶかをめぐる論争もありました。

初夏のミヤマキリシマと秋の紅葉

初夏には、大船山や平治岳の斜面が、ミヤマキリシマの花で色づきます。ミヤマキリシマは、ツツジの仲間です。二つの峰をもつ平治岳には、連山の中でも指折りのミヤマキリシマの群落があります。

山の中では、イワカガミやツクシシャクナゲ、マツムシソウ、リンドウなども次々に咲きます。秋になると、山々は鮮やかな紅葉に彩られます。その色づきは、じゅうたんを敷きつめたようだとたとえられます。吊橋から見る九重町の秋の色は、九重“夢”大吊橋の記事で取り上げています。

手前の斜面を桃色のミヤマキリシマが覆い、奥に緑の峰がそびえる
ミヤマキリシマの咲く斜面

牧ノ戸峠から見る景色

牧ノ戸峠(まきのととうげ)は、九重町を通るやまなみハイウェイの、いちばん高い地点にある峠です。連山の西側にあたり、久住山や黒岩山などへ向かう登山道の入り口があります。峠の高台にある展望台からは、長者原をひと目で見渡せます。眼下には、タデ原湿原も広がります。

展望台から星生山の方角を眺めると、初夏はミヤマキリシマ、秋は紅葉が見られます。沓掛山の斜面も、ここから見渡せます。沓掛山の名の「沓」は、はきもののことです。山の名は、九重山への信仰の登山に由来するとされます。登る人たちは、道中の無事を祈ってわらじを新しいものに履き替え、古いわらじを木の枝に掛けたと伝わります。

峠を通るやまなみハイウェイの沿道には、春から夏にかけて草花が咲きます。冬には、霧氷(霧が凍って木の枝などにつくもの)が見られることもあります。

連山の北側では、九重町の長者原も主な登山口の一つです。長者原に広がる湿原は、タデ原湿原の記事で取り上げています。

紅葉した低い木々の間を、登山道がのびる
牧ノ戸峠のあたりの紅葉

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出かける前に

中岳と久住山の山なみ、ひらがなの名と国立公園、初夏の花と秋の紅葉、牧ノ戸峠から見る景色を順に取り上げました。この記事は2026年10月に書きました。花や紅葉の時期は変わることがあるので、出かける前に九重町の観光の案内で確かめてください。

よくある質問

くじゅう連山でいちばん高い山はどこですか。
標高1,791mの中岳で、九州本土の最高峰にあたります。久住山は連山のうちの一つの峰の名で、主峰とされる山です。
「九重」と「くじゅう」はどう読み分けますか。
山の名の九重山は「くじゅうさん」、ふもとの九重町は「ここのえまち」と読みます。山々の総称は、旧久住町と九重町の合意で、ひらがなの「くじゅう連山」になりました。
くじゅう連山のミヤマキリシマと紅葉はどこで見られますか。
初夏は大船山や平治岳の斜面がミヤマキリシマの花で色づき、秋は山々が紅葉に彩られます。牧ノ戸峠の展望台からは、星生山の方角に花と紅葉が見られます。
くじゅう連山の登山口はどこですか。
主な登山口には、連山の西側の牧ノ戸峠と、北側の長者原があります。どちらも九重町にあります。

出典

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