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緑の木々に囲まれた岩壁から、二段になって滝つぼへ落ちる滝

慈恩の滝と桜滝 二段に落ちる滝と桜にたとえられた滝・天ヶ瀬温泉

大分県の日田市天瀬町と玖珠町の境で二段に落ちる慈恩の滝と、しぶきが桜にたとえられ江戸時代の地誌にも残る桜滝を紹介します。玖珠川沿いの天ヶ瀬温泉が風土記から歩んできた道のりもたどります。

慈恩の滝(じおんのたき)は、大分県の日田市天瀬町と玖珠町の境にかかる、二段に落ちる滝です。上の段と下の段を合わせると、落差は約30mになります。天瀬町の合楽川には、しぶきが桜の花にたとえられた桜滝(さくらだき)がかかります。二つの滝の水はどちらも玖珠川へ注ぎ、その川のほとりに天ヶ瀬温泉(あまがせおんせん)の湯が湧きます。

二段に落ちる慈恩の滝

滝は上段と下段の二段に分かれ、上段は20m、下段は10mの高さから水が落ちます。上段と下段に分かれて落ちるかたちは、二段落としとも呼ばれます。上段の滝は、両側を岩の壁に囲まれた奥まった場所にかかるので、正面からしか姿が見えません。水の量は豊かで、細かなしぶきを立てながら落ちていきます。

上段と下段の二段に分かれて、青みがかった滝つぼへ落ちる滝
慈恩の滝

滝がかかるのは、山浦川のいちばん下流です。山浦川は万年山から流れ下る川で、滝の落ちるところで玖珠川と出合います。玖珠町の側から見ると、滝は町の西のほうに位置します。天ヶ瀬温泉と同じく、国道210号の沿道にある滝です。日田市と玖珠町の、どちらの観光の案内にも載っています。

この滝は、「裏見の滝」の別名でも呼ばれます。滝には、大蛇や龍神(水をつかさどる神)の言い伝えが残ります。時計回りに滝を一周すると、幸せを呼ぶともいわれます。

滝つぼの水しぶきに虹がかかり、奥で二段の滝が落ちる
慈恩の滝としぶきにかかる虹

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しぶきが花にたとえられた桜滝

桜滝は合楽川にかかる幅約15mの滝で、水は岩肌を白くすべるように落ちていきます。滝があるのは、日田市天瀬町の桜竹という地区です。合楽川は五馬高原から流れ出し、玖珠川に注ぐ川です。

桜滝の名は、しぶきの見え方に由来するとされます。水の量が多い滝で、流れ落ちる水は数えきれないほどの細い筋になります。落ちる途中では、張り出した岩に水が当たります。そうして散るしぶきが、桜の花の舞うさまに見立てられました。

苔むした岩壁を、幾筋もの白い水が幅広く落ちる
桜滝

享和3年(1803年)にまとめられた豊後国の地誌『豊後国志』には、この滝を書いた一節があります。地誌は、土地のようすや産物などを、地域ごとに書きとめた書物です。その一節は「砕け散ること花の如く、流下することすだれの如し」です。砕け散る水しぶきは花のようで、流れ落ちる水の筋はすだれのようだ、という意味です。同じ書物では、滝は「桜花滝」の名で呼ばれ、五馬の荘(昔の地域のまとまり)の桜滝村にあると記されています。桜滝は江戸時代から、詩や文章をつくる文人や、書や絵をかく墨客に好まれてきた滝です。

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玖珠川沿いの天ヶ瀬温泉

天ヶ瀬温泉は、日田市天瀬町の玖珠川沿いに湯が湧く温泉地です。温泉の名は「ヶ」を入れて「天ヶ瀬」と書き、町の名は「天瀬町」と書きます。玖珠川は町の中を東から西へ流れ、川に沿って谷が続きます。谷のまわりには丘や山が広がり、天瀬町は山々に囲まれた、日田市の東部の町です。

同じ天瀬町の玖珠川沿いには、湯ノ釣温泉という別の温泉地もあります。どちらも、川の景色とあわせて温泉街を形づくっています。天瀬町の中心を流れる玖珠川は、古くから川の幸の宝庫とされ、大切な水源としても守られてきました。

風土記に残る天ヶ瀬の湯の歩み

ここからは、湯の歩みを新しい時代からさかのぼります。1960年代の高度経済成長期には、天ヶ瀬温泉は社員旅行の行き先として、よく選ばれました。福岡県の筑豊で炭鉱が栄えたころには、炭鉱の関係者の保養地としてもにぎわいました。玖珠川の岸に宿が並ぶようになったのは、江戸時代の末から明治にかけてのことです。

昔は、玖珠川の河原のどこを掘っても湯が出たといわれます。広瀬淡窓が江戸時代に、この湯で療養したという話も伝わります。淡窓のことは、豆田町の記事にまとめました。

さらにさかのぼると、奈良時代の『豊後国風土記』に、大地震で湯が湧き出したと書かれています。風土記は、国ごとに土地のようすや言い伝えをまとめた記録です。湯の始まりの時期はわかっておらず、風土記より前から湧いていたと考えられています。

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出かける前に

山浦川と玖珠川の出合う二段の滝、『豊後国志』に書かれた合楽川の桜滝、風土記から続く天ヶ瀬温泉の歩みをたどりました。この記事は2026年10月に書きました。滝の裏側の遊歩道や温泉街は変わることがあるので、出かける前に、日田市観光協会や玖珠町の案内で確かめてください。

よくある質問

慈恩の滝は、日田市と玖珠町のどちらにありますか。
日田市天瀬町と玖珠町の境にかかる滝です。玖珠町の側から見ると、町の西のほうに位置します。
慈恩の滝の落差はどのくらいですか。
上段が20m、下段が10mの二段に落ちる滝で、合わせると約30mです。
桜滝の名は、何に由来しますか。
落ちる水が細い筋に分かれ、散るしぶきが桜の花の舞うさまに見立てられたことに由来するとされます。
天ヶ瀬温泉は、いつごろからある温泉ですか。
始まりの時期はわかっていません。奈良時代の『豊後国風土記』に、大地震で湯が湧き出したと書かれています。

出典

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日田・玖珠のふるさと納税

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